バイオリンをチューニングするときの音階は、
E線(1弦)を「ミ」
A線(2弦)を「ラ」
D線(3弦)を「レ」
G線(4弦)を「ソ」
になるよう、糸巻きを回して合わせます。
本ページではこのチューニングについて、準備から注意点、コツなどを詳しくご案内します。
バイオリンのチューニング(調弦・調律・音合わせ)は演奏のたびに必要ですが、初心者にとってまず最初にぶつかる壁と言ってよいでしょう。
ちょっとしたコツもあり、慣れたら簡単ですので、がんばってチャレンジして下さい。
それではバイオリンのチューニング方法について以下に詳しくご案内します。
まず、チューニング用の道具として、チューナー・調子笛・音叉を販売しています。
これらの道具は、絶対音感に自信があれば不用ですが、小さい頃から訓練していないと、絶対音感を身に付けるのは大変ですよね。
もし、きちんと調律されたピアノなど、音程の正確な楽器がご自宅にありましたら、それに合わせてチューニングすることもできますが、無い場合にはやはり、これらチューナー類が必需品となります。
チューナーとは、楽器の音程を確認できる電子機器です。
内蔵マイクから音を拾い、音程(音の高さ)を判定して画面に表示されます。
その表示を確認しながら、各弦の音程をそれぞれE(ミ)・A(ラ)・D(レ)・G(ソ)に合わせますので、初心者でも簡単に正確なチューニングが可能です。
今出ているバイオリンの音が、高いのか低いのかを視覚的に判断できますので便利です。
様々なチューナーがありますが、どれでもチューニングできます。それぞれの機能面から必要なチューナーをお選びください。
調子笛(ピッチパイプ)とは、その名の通り「笛」であり、4ヶ所の吹き口からはバイオリンの各弦の基準音、つまり、E(ミ)・A(ラ)・D(レ)・G(ソ)の音が出ます。
その基準音を聞きながら、同じ音程(音の高さ)になるよう、それぞれの弦を合わせていくといったものです。
ただし調子笛は吹き方により、わずかに音程が変化しますので、完璧に正確なチューニングにはあまり向いていません。
それでも、小さくて軽いためいつでもさっと取り出すことができ、口にくわえて吹きながらチューニングできますので、お手軽で簡単なチューニングアイテムです。
例えば、基準音発振機能の無いチューナーをお持ちの場合には、一旦この調子笛である程度まで音程を合わせ、微調整にチューナーを使用するといった方法も有効でしょう。
音叉とは、A(ラ)の高さの音を発する、二股に分かれた金属製の道具です。
初心者には難しいかもしれませんが、聴音の練習にもなり、興味深く楽しめることもあると思います。
基準となるAの音が出ますので、まずその音にA線(2弦)を合わせます。
次にA線(2弦)とD線(3弦)を開放弦(指で押さえない音)を同時に弾いて、その和音の響き(完全5度の和音)を聞きながら、D線を合わせます。
和音の響きが合うと、音が溶け合った気持ちの良い響きになりますが、音が少しでもずれていると細かい波のようなうなり音が聞こえます。
同じ要領でD線(3弦)とG線(4弦)、最後にA線(2弦)とE線(1弦)を合わせます。
実際に通常の小さな音叉を使用するには、手で持っていなければなりませんので、手が1本足りず、慌ただしく持ち替えを繰り返すことになりますが、箱付音叉を使えばそんな悩みも解消しますよ。
個人使用でしたらお値打ちな箱付音叉Wittner/924RAでもいいかと思いますが、教室などでは大きく長時間響く箱付音叉Wittner/935RAがおすすめです。これら共鳴箱付の卓上音叉は、音叉療法と言われるサウンドセラピーやヒーリングアイテムとして、またドップラー効果など科学実験にも使われます。
忘れがちなので第一にまずお伝えしたいのですが、チューニングの際に十分気をつけなければならないことがあります。
チューニングの最中に、弦の張力によって駒が糸巻き方向へ徐々に傾いてきたり、ねじれてきたり、位置がずれたり、場合によっては倒れてしまう心配があります。
つい糸巻きに意識が集中してしまいがちですが、常に駒の状態を確認修正しながら、少しずつチューニングするようにしてください。
駒の角度の修正は、左の写真のように両手でしっかりと駒全体を持って修正します。
とても重要なことですので、「駒について」もご参考ください。
また、慣れないうちは誤って弦を強く張りすぎ、うっかり弦を切ってしまうことがあるかもしれません。
その際、ピンと張った弦が勢いよく一気に緩んだ拍子に万が一顔に当たると危険ですので、必要以上に顔を近づけて作業しないようにしましょう。
さて、初心者の方では、一つの弦をチューニングしたら他の弦がまた狂っていると戸惑われることも多いと思います。
特に弦が緩めに張ってあるときに顕著ですが、4本の弦のうち、1本の弦の音を高くすると、他の3本の弦の音は低くなるのです。
これはバイオリン自体の構造による特性であり、不良ではありませんのでご安心ください。
他の楽器、例えばギターをチューニングする際、一つの弦の音を高くしても他の弦の高さはあまり変わりません。
しかしバイオリンは比較的大きく変わります。
一番の原因をご説明しますと・・・。
バイオリンは、4本の弦がテールピースに固定されています。このテールピースは常に浮いた状態です。
そのため、ある弦が引っ張られると、他の弦は緩んでしまうのです。
次第に合っていきますが、4本の弦のチューニングを繰り返し、音の高さを安定させます。
なお、他にも原因はあり・・・。
新しい弦の場合は、ある程度伸びるために音程が下がっていきます。
また、糸巻きに巻きつけた弦が徐々に強く締め付けられていくことによって音程が下がっていきます。
更に、テールガット(テールピースを止めている紐状のもの)もある程度伸びます。
このようにはじめのうちは音程が下がりやすいのですが、張力が落ち着くまで、何度もチューニングを繰り返します。
たいへんと思われるかもしれませんが、徐々に弦が安定していき、演奏前のほんの少しの時間でチューニングできるようになりますのでご安心ください。
新しい弦に交換したときに、またちょっとたいへんかもしれませんが、チューニング作業自体にもどんどん慣れていくでしょう。
基本的には、あらかじめ糸巻き(ペグ)を少し緩めて、弾きながら糸巻きを巻いていき、正しい音程のところで止めます。
巻きすぎて音が高くなってしまった場合は、一旦緩め、再度巻きながら合わせます。
緩めながら合わせると、演奏中に音程が下がりやすくなるのです。
バイオリンのチューニングは、初心者にとって悩みの種にもなりやすいです。
糸巻きは少し押し込みながら回しますが、この作業にちょっとしたコツがいるからです。
あくまで一例ですが、次の写真のように、ペグボックスを左手の指で挟むように持ち、中へ押し込むように力をかけながら巻くと有効です。
押し込みが弱いとグルッと糸巻きが戻ってしまったり、少しだけ音を調節したいのにググッと回しすぎてしまうことがあります。
まずは「慣れ」が必要です。
一旦多めに緩めた状態で押し込んでみたり、それらのタイミングや力の入れ具合などのコツを身につけ、自分できちんとチューニングできるよう、何度も練習するのが良いでしょう。
立場上あまりおすすめはできないのですが・・・、慣れないうちは、楽器を構えて弓で弾きながら糸巻きを回すのではなく、楽器を膝の上に置き、指で弦をはじいて音程を確認し、糸巻き部分を両手で作業いただければ、ギュッと力が入りやすくチューニングしやすいですよ。
それでもいずれは、楽器を構えて弓で弾きながらのチューニングに慣れるよう、焦らずにがんばりましょう。
弓で弾きながらのチューニングのコツとして、決して大きな音は必要ありません。弓を向こう側に少し傾けて、数本の弓毛で軽めにボーイングし、安定した音を出すように弾くとチューニングしやすいですよ。
さて、糸巻きを回してのチューニングは、特にE線でなかなか合わないことがあります。
そのチューニングの最終的な微調整には、テールピースに付いているチューニングアジャスターを使用すると有効ですが、たいへん重要な注意点等もありますので、このあと続いて「アジャスターについて」をご覧下さい。
糸巻きの材質や構造上、外気の状態などにもより、糸巻きが硬いことや、緩くて巻いても戻ってしまうことがあります。
そのようなときは、「糸巻きについて」をご覧下さい。